「痛みのゲートコントロール理論」とは【タッチや芳香成分による痛みの和らぎ】
痛みの認識
例えば、物に当たり打撲したとき、転んでケガをしたとき、その刺激は末梢神経によって脊髄に伝わります。
脊髄にあるゲート(門)が開いて脳へと伝えられ、はじめて「痛み」として認識されます。
この痛みを感じるしくみには、精油等による芳香成分やアロマトリートメントメント等によるタッチング、また感情・心理状態等が大きく関係することが研究等により、わかっています。
痛みの増幅と抑制
まず、不安、恐怖の感情はゲートを開き、痛みを増幅する方向に働きます。
ストレスを感じ続けることで交感神経を緊張させてしまい、もともとの痛みを更に増幅かつ長引かせ、新たな発痛物質を作り出すことも知られています。
一方、嬉しい、楽しいなどの喜びの感情、幸せを感じる高揚感、優しくなでる・さするなどの触覚刺激はゲートを閉じ、痛みを軽滅する方向に働きます。
「痛いの痛いのとんでいけ〜」が効果的なのは、言葉かけによる安心感や、子どもの肌を直接なでることによる安心感があるからです。
また、プラシーボ効果やプラセボ効果などとも言われますが、例えば、お薬を飲んだところ、その飲んだ安心感から症状が和らぐといった経験をされたことがある方もいるかと思います。これも、痛みのゲートが閉じるからであります。
(もちろん、鎮痛成分によるものでもあります)※お薬は用量と用法を守り、適切に飲みましょう!
痛みのゲートコントロール理論
このように、ゲートを閉じて痛みをブロックしたり軽減するという理論を「痛みのゲートコントロール理論」といいます。
例えば、紙で指先を切ってしまった、縫い針で指を刺してしまったなどの瞬間的で鋭い急性の痛みの信号はとても速く伝わり、あまりブロックされません。
しかし、多くの方がお困りでいらっしゃる慢性的で鈍い痛み(肩こりなど)の信号は脳へ伝わるスピードが遅いため、タッチングや香りによる刺激でブロックされやすいです。
また、心地よさを感じる香りや、肌の触れ合いは、鎮痛作用がある神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、などの、幸福感や充実感や達成感を与えると言われているもの)の分泌を活性化すると考えられています。
アロマテラピーで、効能ばかりを重視して選定せず、できるだけその日その時感じた好みの香りになるよう精油を調合するのは、そういった理由だからなのです。
自分に合った方法で
痛みを取り除く方法には、さまざまなアプローチがあります。
もちろん、事故やケガ、病変等は病院に行くのが最優先です。
その一方、慢性疲労や不定愁訴(原因が分からない、なんとなくの不調)で悩む方も多いです。
そういった方の全てに、アロマトリートメントが絶対良い‼️とまでは言いません。
それは、それぞれのバックグラウンドがあり、今抱えているもの、そして将来への展望などもそれぞれ異なるからです。
そして、同じように、リラクゼーションにも多くのアプローチがあります。リラクゼーションは、人と人とが直接触れるものであるので、技術だけでなく、施術者とお客様との感性や感覚、間合いなどもとても大事になってきます。
ですので、多くのリラクゼーションのアプローチの中から、アロマが合う❣️と思ってくださる方がいらっしゃれば、私のできることをさせていただきたいです。
そして、これからアロマに出会う方にも、その素晴らしさを伝えていけるよう、努めたいと思っています。
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