生理周期と女性のからだの変化と精油【更年期・思春期/女性ホルモンのバランス】
女性として身体の機能を持って生まれ、思春期に生理が始まってから閉経までの長い間、そして閉経してからも、女性ホルモンの影響を受け、お付き合いしながら過ごしていくことになります。
生理不順、生理痛、月経前症候群(PMS)をはじめ、婦人科系の症状でお悩みの方や治療をされている方も多いのではないかと思います。
そのような場合は、医師に診てもらい適切な治療や助言にしたがって過ごしていくことが第一優先で大事にはなってきますが、今回の投稿では、大きな症状はないけれど予防として女性ホルモンのことを理解し、過ごしやすい毎日を送るためにできることとしてポイントを挙げてみたいと思います。
月経周期のキホン
まず、生理が起きるしくみと周期のことを簡単に説明します。
女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストロン)の2つの種類があり、下のような働きをそれぞれしています。この2つは脳下垂体という様々なホルモンを分泌する内分泌器官から出る性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)によって調節されています。
子宮の内側にある子宮内膜の表面の層の部分が崩れ落ちて生理が起きると、それと同時に卵巣の中では卵細胞を入れた卵胞という細胞群の袋が成長しはじめます。
卵胞は卵胞ホルモン(エストロゲン)を放出しはじめます。すると、子宮内膜はエストロゲンの刺激で修復され、厚くなっていきます。そして、充分に成熟した卵胞は2週間ほどで中の卵細胞を外に放出します。この放出のことを排卵といいます。
排卵後の卵胞は黄体に変化し、エストロゲンとともに黄体ホルモン(プロゲストロン)を出し始めます。それに応じて子宮内膜は受精卵の到着に備え、栄養を分泌します。
妊娠しなかった場合、黄体は2週間で白く縮み、女性ホルモンが低下していきます。そうすることで、子宮内膜の表層が崩れ、また生理が始まるのです。
(性周期についてのグラフも手書きしたのですが、反映されませんでした・・・)
エストロゲン様作用
簡単に女性の性周期について説明したので、本題に入っていきます。
エストロゲンが先ほどの説明で女性らしいからだ付きや妊娠の準備をするために体の機能を高めていくホルモンだということが分かったと思います。
そして、このエストロゲンは20歳くらいをピークに、加齢、過度なストレス、不規則な生活習慣、病気などによって、減少していくといわれています。減少によって、エストロゲンの作用によってバランスが取れていた身体に様々な不調を引き起こしていきます。ほてり、のぼせ、イライラ、冷えなどの症状がよく聞かれますね。ですが、加齢は生きている限り避けることができません。つまり、エストロゲンの減少も自然なことです。
そこで、皆さんに覚えておいて欲しいのがこの世の中には、「エストロゲンと似た働きをする成分がある」ということです。それが「エストロゲン様作用」と呼ばれる作用です。
では、どんな成分にエストロゲン様作用があるのでしょうか?
大豆イソフラボン(エクオール)
まずは、大豆イソフラボンです。
納豆や豆腐、醤油や味噌、大豆粉やソイプロテインなどの大豆食品に含まれるフラボノイド(フラボノイドとは、植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分のことで、総称してファイトケミカル(phytochemical)と呼ばれている)のこと。
肌や骨、生活習慣病予防のためにも毎日摂取することを推奨されています。
そして、近年では、大豆イソフラボンは体内で腸内細菌によって代謝され、エクオールという成分になることがわかってきたようです。エクオールという名でサプリメントなども売っていますので、ご存知の方も多いかもしれません。
エクオールは体内に吸収されると、女性の体の様々な場所にあるエストロゲン受容体にはまり込み、作用してくれるのです。
しかし、全ての人が摂取した大豆イソフラボンがエクオールに代謝されるわけではなく、エクオールを作る腸内細菌を持っているかどうかで決まってきます。そして、その腸内細菌を持つ人は日本人は約50%程度と言われています。毎日大豆食品を摂る習慣のない若年層では約30%くらいにとどまってるのではないかと言われているようです。
そういう点からも、エクオールをサプリメントで摂取することや、大豆食品を摂取することが推奨されているわけであります。
私は、納豆も豆腐も味噌汁も大好きでし、毎日ソイプロテインを飲んでいます。どちらかというと大豆イソフラボンのためというよりも重要なタンパク源として摂取しています。(スターバックスに行く時は、ホットのティーラテ系を頼むことが多いのですが、牛乳を豆乳に変更したりして積極的に大豆を摂取しています)
大豆は、古くから日本人にとって馴染み深い食材で、腹持ちがよく、ゆっくり消化するため、お腹が空きにくくなるなどとも言われています。せっかくの食文化ですから、文化を守るという点でも大事にしていきたいですね^^
精油
はい、ここで精油です!笑
これを書きたいがために、ここまでの前段階を書いてきたと言っても過言ではありません!笑
そうなのです、精油の中にもエストロゲン様作用のある精油があるのです。
イランイラン、スイートオレンジ、ローマンカモミール、クラリセージ、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、フランキンセンス、ラベンダー、ローズオットー など(他にも多数あります)
など、ほぼお花から抽出される香りで、とても華やかだったり、甘みがあったり、濃厚だったりと、この多様性の時代に簡単に「女性らしい香り」などと表現するのもいかがなものかとも思いますが、とても魅力的・魅惑的な香りばかりです。
実際にこのような臨床データもあります。(日本環境アロマ協会のリンクに飛びます)
イランイラン、スイートオレンジ、クラリセージ、ゼラニウム、フランキンセンス、ラベンダーの精油は比較的リーズナブルに手に入れることができますので、日々のお部屋の芳香や、ボディケアにかなりおすすめです。ローマンカモミール、クラリセージ、ジャスミン、ネロリ、ローズなどは非常に高価な精油で希少なものであるため、エッセンシャルオイル配合(人工香料だと意味ないので注意)のボディオイルなどをチョイスするのもいいかもしれません。
ちなみに、精油ってなぜからだに作用するの?と疑問を持たれる方も多いので簡単に☆
精油の芳香成分は、鼻から吸い込まれると、鼻の嗅細胞といわれる部分から脳の大脳辺縁系という場所に信号がいき、ホルモンをはじめ自律神経や免疫系への指令を出します(経路①)。また、鼻や口から気管支を通って肺に取り込まれると、血液に混ざりこんで全身の組織や細胞に運ばれます(経路②)。そして、ボディケアで精油を使うと、皮膚下にある毛細血管に浸透し、皮膚への働きのみならず全身の筋肉や器官に運ばれていきます(経路③)。
エストロゲン様作用のある精油がどの経路で働くかというと、主に経路①になるのではないかと思います。最初に書いたように、女性ホルモンは脳下垂体というところから指令が出ているからです。ですので、あえて難しい使い方をしなくても、精油を自分の近くで香らせるだけでOKなのです。
最後に
長くなってしまいましたが、エストロゲン様作用について書いてみました。食べ物や精油からの摂取でエストロゲンが減少していっても過ごしやすく過ごせるようにしたいですね。
なお、ホルモン治療中の方や、妊婦さん、婦人科系のなどの病気などで治療中の方は、エストロゲン様作用が逆に望まれない場合もありますので、医師にしっかり相談してからの使用をお試しください。
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